岡山を拠点に活動する画家、吉行鮎子はシュルレアリスムとポップカルチャーの感覚を融合させ、物理法則から解き放たれた独自の絵画空間を築き上げてきました。
その作品は現実世界の再現ではなく、作家自身そして鑑賞者の内的世界を映し出す鏡として現代日本の絵画シーンにユニークな存在感を放っています。
本展《Journey》は、心理反映の密室的な強度を保ちながらも、同時に外部世界へと開かれた窓を設置しようとする試みです。
吉行が「世界で起きている様々な問題に無関心ではいられない」と語るように、これまで内面に向けられてきた視線は、いま社会へと接続されつつあります。これは制作における一種の「社会的転回」の萌芽といえるでしょう。
個人的な心象風景の探求から出発した表現は、次第に多様な価値観が交錯する現代社会への応答へと広がりを見せています。
その作品群は、めまぐるしく変化する社会の深層を「タイムラプス」のように凝縮して可視化する新たな役割を帯び始めているのです。
吉行が踏み出す新たな旅路の先に私たちの想像力をいかにして世界とつなぐのか。
静謐さの中に力強い意志を秘めた挑戦にどうぞご期待ください。
●2Fメインギャラリー
●入場料:無料
事前予約可 事前予約でごゆっくりとご高覧ください
(ご予約なしでもご覧いただけます)
※文章は開催時原文のまま